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山登りと相場格言(投資のヒント)

「アノマリー」とは理論的な根拠はないが、過去の経験則から考えて、かなりの確率で発生する事象のことを指します。例えば、売却した株が、売った後もゆっくりと上がり続ける現象は多くの投資家が経験しています。このような株価の動きを身近な事例や相場格言を踏まえて検証してみます。



気分転換には山登りが最適

わたしの山登りは、もっぱら神戸市の背後にそびえる六甲山(兵庫県)です。阪神間の全ての駅(阪急・阪神・JR)から少し歩けば山道に入ることができ、コースも無数にあるのでワクワク感も満載です。

特に芦屋のロックガーデン(ロッククライミング発祥の地)から、六甲山山頂(931m)を経由して有馬温泉に入る定番コースは、初心者にもお勧めです。(このルートは、江戸時代後期に、魚屋が神戸の港であがった魚をその日のうちに有馬温泉に運ぶために使った魚屋道(ととやみち)にも合流します)


何の関係も無さそうな「山登り」と「マーケット」ですが・・・

一般的に、山頂に向かう登りの過程では、息も絶え絶え(たえだえ)時間もかかりますが、いったん山頂に到着すれば、あとは下りとなり時間を大幅に短縮できます。「ゆっくり時間をかけて山頂までのぼり、下りは一気に麓(ふもと)まで・・・」そんなイメージが山登りにはあります。そして、この傾向は株のトレンド(上下動)にも当てはまるケースが多いのです。

「ゆっくり上がって、ドカンと下がる」

株式の上昇局面(中・長期のトレンド)では、長い時間をかけて少しずつ株価は上がっていきますが、それに従い将来を楽観する投資家が増えてマーケットも安定します。しかし、一転下落に転じれば、急激な下げを伴うこともしばしばです。

「ゆっくり上がって、ドカンと下がる」山登りとマーケットには、共通点がありそうです。この傾向が判っていれば、少しはマーケットへの向き合い方にも余裕が生まれるかも知れません。そして、一瞬で大きく下がるということは、売るタイミングの方が買うタイミングよりもはるかに難しいことを意味します。

 

景気循環にも当てはまる。



内閣府が発表している景気循環にも同様の傾向がみられます。「景気の谷」→「景気の山」→「景気の谷」の一連の動きが景気循環における「一周期(循環)」です。下記に戦後の第11循環以降を記しましたが、景気後退局面(C~D)に対して景気拡大局面(A~B)が長くなる傾向は明らかです。実体経済と株価には連動性があるので、株式投資における大局観として覚えておくと良いでしょう。



「アノマリー(過去の経験則)」では、相場格言など現在の株式投資に役立つモノも数多くあります。投資初心者にも参考になりそうなモノを取り上げてみます。

「株式投資は美人投票と同じだ」(経済学者ケインズ)

これは、経済学者のケインズが株式投資を美人投票(新聞投票)に例えた有名な話です。投票者が100枚の写真の中から最も美しいと思う6人の美女を選び、その選択が投票者全体の平均的な好みと最も近い者に賞が与えられるというものです。

入賞のポイントは、各投票者自身の好みではなく、他の投票者の好みを考慮して写真を選ぶことにあります。この選び方は、株式投資の原理にも通じるものです。つまり、株式投資においては、市場参加者の多くが上昇すると思う銘柄を選ぶ必要があるからです。

 

【相場格言】「麦わら帽子は、冬に買え」

みんなが関心を示す前に、株式を仕込んでおくことを勧める格言です。最近では、新常態(ニュー・ノーマル)で生活様式や人の動きも変わってきました。近い将来、人々が欲するモノを予想してみましょう。

 

【相場格言】人の行く裏に道あり、花の山

投資家は群集心理で動くため、市場で話題になれば既に株価は上昇しており、大きな成果は得られません。人の意見に惑わされず、自身の投資哲学を貫くことを勧めています。

 

【相場格言】天井三日、底百日(三年)

株価が高値にある期間は短く、底値にある期間のほうが長いという格言です。辛抱しきれずに売却したら、その途端に株価が急騰することもよくあります。むしろ短期売買で使われるフレーズです。

 

【相場格言】強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福のうちに消えて行く

バブルの発生から終焉までの一連の投資家心理が見事に描かれています。行動経済学や心理学にも通じるところがありそうです。



 

【相場格言】山高ければ、谷深し

予想以上に上昇した相場は、その反動で大きく下落するケースがあります。高い値段で購入した投資家が、目先の下落に耐えられずに売却するからです。逆に、下がりすぎた反動で急騰することもあります。

 

【相場格言】行き過ぎもまた相場

相場には上がり過ぎや下がり過ぎがつきものです。理論的に説明できない株価水準も時には受入れなければなりません。政治、経済、金融政策などが起因していることもしばしばです。最近では、日銀による量的緩和(銀行のお金をだぶつかせる政策)や財政出動(持続化給付金や補助金等)が株高の要因といわれています。

 

【相場格言】頭と尻尾はくれてやれ

「安く買って、高く売る」シンプルでありながら、実に難しい命題です。購入した株がすぐに下がっても、売却した株が予想に反して上がっても、「こんなのよくあることさ」と思える気持ちが大切です。ちなみに資産運用における3つの余裕とは、「心の余裕」、「時間の余裕」、「資金の余裕」をいいます。

 

【相場格言】金のなる木は水では生きぬ、汗をやらねば枯れていく。

相場で儲けることは容易ではありません。思いつきや身近な情報だけに頼らず、時には専門書などで知識を蓄積することも必要です。ネットから発信されるフエイクニュース(偽情報)には、特に気をつけてください。

 

「恐怖は常に無知から生じる」 (米思想家エマーソン)

多くの方が「資産運用は難しい」「投資は怖い」とおっしゃいます。それでも人生100年時代を迎えて、年金だけに頼らない人生設計が必要となってきました。正しい知識を得ることで不安は軽減します。一歩踏み出す時が、今なのかもしれません。



 

まとめ

2022年4月からは、高校の「家庭科」で投資信託の授業が始まります。ご家庭でも子供さんから投資について質問を受けることが増えるでしょう。今回は株式投資について解説しましたが、資産運用において最も大切なことは、「長期投資・分散投資・時間分散」といったリスクを抑えてリターンを得るベーシックな投資手法です。

つまり、日々の株価に一喜一憂せず、自身のライフプラン(将来設計)に沿ったポートフォリオ(資産分散)を構築することが、最も賢い投資家への近道だということです。

 

【株式・投資信託等の各商品にはサービス及び商品ごとに所定の手数料や諸経費等の負担が発生する場合があります。また、商品ごとに価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。ご投資に当たっては、上場有価証券等書面、当該商品等の契約締結前交付書面又はお客様向け資料等をよくお読みください。なお、当ブログは資産運用の啓蒙を目的としており金融商品の勧誘は行っておりません。】

目次

IFA(資産運用アドバイザー)による資産運用のノウハウ

相場には理論的に説明できないことが数多くあります。相場格言もその一つです。当ブログでは、現在でも通用する相場格言をいくつか御紹介しています。ご自身の投資経験を踏まえて、ぜひ検証してみて下さい。また、資産運用の世界では「分散投資」「長期投資」「時間分散」がキーワードになります。「どのような金融商品を選べばいいの?」「いつ購入すればいいの?」など疑問点も多いと思います。IFA(独立系の資産運用アドバイザー)北田が丁寧にお答えいたします。当サイトより、お気軽にお問い合わせください。

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