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ギャンブルと投資は似て非なり(投資のヒント)

公営ギャンブルとは。


公営ギャンブルとは、国や地方自治体が管理運営する公のギャンブルのことをいいます。競馬・競輪・競艇・オートレースのことを指し、まとめて3競オート(さんけいオート)と呼びます。これらが違法でないのは、それぞれに競馬法・自転車競技法・モーターボート競争法・小型自転車競争法といった個別の法律が存在するからです。

これ以外にも「宝くじ」や「スポーツ振興くじ」なども公営ギャンブルの一種です。



胴元が儲かる仕組み


運営主体が行政側なら公営ギャンブルとして収益を得る事ができますが、民間が行えば「賭博罪」に当たります。その種類は、単純賭博罪(50万円以下の罰金・科料)、常習賭博罪(3年以下の懲役)、賭博場を開くことを禁じる賭博開帳図利罪(3年以上5年以下の懲役)などです。

ちなみに「賭博か遊戯か」で論争がある「パチンコ・スロットル」は、風営業の枠組みです。景品を別の場所で交換する等で法を免れています。グレーゾーンといわれる所以(ゆえん)です。

刑法第百八十五条「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」

国や地方自治体は、公営ギャンブルから発生する収益の一部を財源として期待しています。そして、法の縛りが強いのは、胴元になれば儲かる仕組みを作れるからです。では、その果実(収益)はどこから生まれるのでしょう。このあたりにギャンブルと投資の違いがあります。


寺銭(てらせん)が利益の源(みなもと)


時代劇にみるサイコロ賭博(丁半ばくち)では、胴元の取り分を寺銭と呼びます。江戸時代の賭博場が寺社だったからです。そして、この寺銭とは勝負のつど客から受取る手数料のことを指します。

胴元は手数料を差し引いた掛け金を客に分配すればいいので、参加者の勝ち負けに関係なく利益を出すことができます。(※丁半の数を合わせるために胴元が博打に参加することもある)そして、この仕組みは現在の公営ギャンブルにも引き継がれています。


では、競馬の払戻率で検証しましょう。


払戻率とは、売り上げ全体から的中した馬券に分配される割合をいいます。馬券の購入方法には、『単勝』『馬連』『枠連』など多くのバリエーションがありますが、払戻率は70~80パーセントの間に収まります。言い換えれば、胴元である中央競馬場や地方競馬場の取り分が、20~30%になるわけです。そして、これが現代の寺銭に当たります。(払戻金の計算方法は『競馬法施行規則』の中で定められています。)

100人が1万円ずつ拠出して馬券を購入した場合、売上げは100万円ですが、そのうち約25万円が胴元の懐(ふところ)に入り、残りの約75万円が的中した人に配られます。このゲームは、ながく続けるほど馬券の購入者が損をします。そして、この様に勝者と敗者の収支がプラスマイナス0になるゲームをゼロサムゲームといいます。

 

これを「大数の法則」で確認します。


「大数の法則」は、保険会社が保険料を算出する時に使用します。たとえば、サイコロを1回振って「1」の出る確率は6分の1ですが、都合よく6回に1回の割合で「1」の目が出るわけではありません。しかし、何十回、何百回、何千回と繰り返していくと「1」の出る確率は、限りなく6分の1に近づいていきます。

回数さえこなせば、本来期待される確率に限りなく近づいていきます。これが「大数の法則」です。たとえ偶発的な事故や病気であっても多くのサンプル(年齢・性別・職業など)を集めれば、その発生率を予測することができます。

 



競馬に当てはめると・・・


払戻率が75%であれば、その時点で期待される儲けは-25%になります。年間の収支が+10%であっても-50%であっても、ながく続ければ「大数の法則」により-25%に近づきます。つまり期待収益率がマイナスになるゲームがギャンブルに該当します。

 

株式投資はギャンブルではありません。


ギャンブルは、買った人から負けた人に資金が移動するパイの奪い合いですが、株式の売買で得た利益は、他の人の損失から拠出される訳ではありません。

株式を購入することは、その会社のスポンサー(出資者)になることです。投資したお金は会社の資本金となり、企業が売上を伸ばし業績を上げることで株価が評価される仕組みです。

しかし、株式が市場で売買されている以上、株価は不規則に上下動を繰り返します。これは、個々の株主に現金化する機会や購入する機会を提供しているからです。

そのために、マーケットでは株価が高いか、安いかを判断する投資尺度が存在します。代表的なものを押さえておきましょう。


代表的な2つの投資尺度


最もポピュラーなものが、『株価収益率(PER)』です。これは、会社が生み出す利益に対して株価が何倍まで買われているかを調べる指標です。儲かっている会社の株価が上がることは、誰でもイメージしやすいと思います。



もう一つは、『株価純資産倍率(PBR)』です。会社の総資産から借金を返済すれば、企業には純粋な資金(純資産:返さなくてもよいお金)が残ります。この純資産に対して株価が何倍まで変われているかを調べる指標です。株価が純資産より下がっていれば、株価が割安に放置されていることを意味します。



たとえば、仕事をバリバリこなすビジネスパーソンが『株価収益率くん』ならば、さしずめ賃貸収入のある資産家の御曹司が『株価純資産倍率くん』といったところでしょうか。

 

投資と投機の違いは。


ギャンブルと投資の違いは明快ですが、投資と投機の境目はかなり不明瞭です。会社の将来に期待して株式を購入する投資家は、配当金(収益の一部を現金で還元)や株主優待(自社商品や割引券など貰える)も考慮して銘柄を選びます。その一方で、企業の業績よりも日々の株価の動きだけをみて短期売買される投資家の方もいらっしゃいます。

信用取引(証券会社でお金や株券を借りる取引)やデリバティブ取引(金融派生商品)、最近では仮想通貨まで多種多様な取引が存在します。重視する投資スタイル、資金の性質、投資対象、投資期間などで“投資”と“投機”を使い分けているように思います。


まとめ


わたしも馬券を購入しますが、レースまでのワクワク感はとても口では説明できません。しかし、長く続けるほどマイナス(期待収益率:約-25%)になることも解っています。だからといって、生き馬の目を抜く‘’投資の世界‘’も決して甘くはありません。そこではプロたちが他人を出し抜くために日夜しのぎを削っているからです。

マーケットで堅実な運用成績を上げるには‘’武器‘’が必要です。その‘’武器‘’とは‘’知識‘’のことです。先程ご紹介した株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)のみならず、分散投資や長期投資も資産運用においては想像以上の効果を発揮します。日頃のニュースにも関心を持って、ぜひ投資の世界を覗いてみてください。

目次

ギャンブルと投資は似て非なり ~ロジカルシンキングのススメ~

ギャンブルは敗者の資金を勝者が受け取るゼロサムゲーム(収支が0になる)です。ここにギャンブルと投資の大きな違いがあります。詳しく検証することで、その仕組みも解ってくると思います。当ブログでは投資に役立つ知識を公開しています。ぜひ参考にして下さい。また、資産運用で大事なことは「分散投資」「長期投資」「時間分散」などです。「どのような金融商品を選べばいいの?」「いつ購入すればいいの?」など疑問点も多いと思います。IFA(独立系資産運用アドバイザー)北田が丁寧にお答えいたします。当サイトより、お気軽にお問い合わせください。

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