Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//ホンマに?大阪の近未来図! ~関西インフラ事情~

ブログ

ホンマに?大阪の近未来図! ~関西インフラ事情~



琵琶湖を水源とする淀川の河口付近には、北から舞洲(まいしま)、夢洲(ゆめしま)、咲州(さきしま)の3つの人工島が浮かんでいます。この人工島や大阪市内を中心に、開発事業が目白押しです。今回はとくに注目される事業について確認しておきましょう。



 

「大阪・関西万博」のテーマは、“いのち輝く未来社会のデザイン”


2025年開催予定の「大阪・関西万博」のメイン会場は、3島の中間に位置する夢洲(ゆめしま)です。150の国と25の国際機関の招致を目指していますが、現時点の公式な参加表明国は78カ国と6国際機関にとどまっています。(EXPO2025HP:2021/1/28時点)

 

その万博から4年後の2029年秋、夢洲で統合型リゾート(IR)の構想が進行中


4月に和歌山県議会が、IR招致への参加を否決したことで、現時点では大阪と長崎のみがIR招致を表明しています。大阪は、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ(関西企業20社)が中心となり、最高級ホテルや国際会議場を設置して、カジノを運営する予定です。大阪府と大阪市が事業会社から納付金や入場料を徴収する構想です。


人口島へのアクセスは


夢洲へのアクセスでは、夢洲と咲州を結ぶ大阪メトロの延伸工事が急ピッチで進んでいます。米MGMやオリックスも35%前後のインフラ整備費用を負担します。また、観光客の移動手段として水路と空路に注目が集まります。

 

「水の都」&「空飛ぶクルマ」


江戸時代には諸藩の蔵屋敷が大阪中心部(中之島)に数多く存在し、水脈を使って地方の海産物などが運ばれていました。そのため、明治時代の大阪は「水の都」と呼ばれています。

その水路を使って、人の流れを変えようとする試みがあります。「大阪・関西万博」にあわせて、淀川を整備して大阪~京都の航路や大阪湾を横切る大阪~淡路島との航路も検討されています。JR大阪駅に近い阪急電鉄十三(じゅうそう)駅近くの淀川河川敷には、船着き場を設置する計画です。

「空飛ぶクルマ」は、夢洲と周辺の空港を結ぶ8路線が候補に挙がっており、今後は遊覧飛行と定期便が具体化していきます。人工島における交通渋滞の解消に向けても、様々な工夫がなされます。



 

大阪中心部を貫通する「なにわ筋線」


大阪中心部に乗り入れる電鉄各社の延伸工事が始まっています。うめきた2期工事(グランフロント西側)の地下に作られているJRの新駅(2023年うめきた開業予定)は、南海電鉄とJR西日本が共同で運用して難波まで繋げる計画(下図の赤色実線)です。「なにわ筋線」と呼ばれ、全線開通は2031年の予定です。

大阪メトロの延伸工事は、夢洲~咲州間(下図の赤色実線)で行われています。ただ、舞洲~夢洲を結ぶ北側ルートの電鉄路線(黄色実線)は、費用の関係もありJR西日本、大阪メトロともに、現時点では具体化していません。京阪電鉄も中之島駅から大阪メトロに繋げること(黄色実線)を希望していますが、正式な発表はありません。



具体化しそうなのは、大阪駅から十三を経由して新大阪駅に入る路線ルート(黄色実線)です。中心になるのは阪急電鉄ですが、ここが繋がれば、「なにわ筋線」経由で関西国際空港と新大阪駅までの利便性が一気に高まります。

地図には記載していませんが、新大阪駅の北部に位置する箕面市へも北大阪急行電鉄の延伸工事(御堂筋に沿って)が進んでおり、2023年に千里中央駅~箕面萱野(みのおかやの)駅まで繋がる予定です。

 

広大な都市公園が大阪駅に姿をあらわす「うめきた2期工事」


“みどりとイノベーションの融合”をテーマにする「うめきた2期工事」の街開きは、2024年です。全体の完成は2027年までかかりますが、大阪駅界隈の風景を一変するでしょう。


大阪市内ではインフラが目白押し


未来医療(先端医療やゲノム医療など)の産業化を推し進める「未来医療国際拠点」は、2024年中之島4丁目に開設されます。ここでは、医療機関と企業のコラボが期待されています。他にも、JR大阪駅南側の「中央郵便局跡ビル」、大阪市役所南側の「淀屋橋ツインビル」、大阪のシンボル「丸ビル」など、様々なビルの立替えが進行中です。

 

「医療&薬」と「大阪」の深い繋がり


大阪市役所や日本銀行大阪支店が位置する「中之島」から、若者の街「心斎橋」や「なんば」までの一帯を、昔は「船場」と呼んでいました。今はオフィス街ですが、町名は「北浜」「高麗橋」「今橋」「伏見町(ふしみまち)」「平野町(ひらのまち)」「本町(ほんまち)」「瓦町(かわらまち)」などです。

その中心部に「道修町(どしょうまち)」があります。道修町は「薬の街」で、江戸時代には日本で扱われる薬が、いったん道修町に集まり、品質を保証したうえで全国に流通していました。今でも数多くの薬問屋や製薬会社が軒を連ねています。

今回みてきた大阪の社会インフラでも、万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」や「未来医療国際拠点」など、“医療の未来”と“大阪経済の発展”には、深い繋がりがあると感じています。

(注意)インフラ関連工事は、あくまで予定です。また、政府によるIR計画の認定も未だ(2022年5月時点)決定していません。
SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧