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物価と金利の関係



住宅ローンを組む際には、変動金利か固定金利かを選択する必要があります。日本においては、変動金利の方が固定金利より低い水準に設定されているため、多くの人が変動金利を選びます。一方で、金利の変動が激しい米国では、逆に多くの人が固定金利を選ぶ傾向にあります。

もし金利が上昇すれば、変動金利を選択している人の金利負担は増えます。具体的には、どのような状況で金利が上昇するのでしょうか。今回は、金利上昇の背景について探ってみましょう。

米国の金利は高い!

米国では、政策金利(※)が1年半かけて0.25%から5.25〜5.5%にまで引き上げられました。これは、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、世界的に穀物や石油などの商品の価格が高騰し、それに伴い米国のインフレ率が9%台(前年比)にまで上昇したからです。(※中央銀行が操作する短期金利の誘導目標)

金利が上昇すれば、設備投資などの借金による投資が減少し、景気の過熱感が抑えられてインフレ率が低下します。実際、米国のインフレ率は金利の引き上げの効果から、現在は3%台にまで下がっています。このペースでインフレ率が抑えられれば、次は金利の引き下げが考えられるでしょう。



日本は、世界で唯一のマイナス金利!

先進国はインフレを抑制するために、競って金利を引き上げてきましたが、日本だけが未だに低金利を続けています。日本銀行は景気の拡大に自信が持てず、政策金利をマイナス0.1%に据え置いたままです。

過去には、日本銀行がゼロ金利解除や金利引き上げ(2006~07年)を試みましたが、景気が急速に悪化したことで、利下げに転じることを余儀なくされました。この経験から、日本銀行は慎重な姿勢を取っています。

日米の金利差が円安に誘導する。

高い利回りを求める投資家は、利息の付かない円資産を売却して、高金利の米ドル資産に買い替えます。その結果、2023年にはドル高・円安が進行しました。

多くのモノを輸入に頼る日本においては、この円安が輸入インフレを引き起こします。円安によって、海外で価格の上昇した穀物や石油を、より高い値段で購入する必要が生じるからです。



日本にもインフレがやってきた。

岸田政権は、国民の物価上昇に対する不満を和らげるため、過去の増税分を還元する形で定額減税(所得税4万円+住民税1万円)を決定しました。これにより、給与所得者や公的年金受給者は、2024年6月より源泉徴収される税額が減少することとなります。

しかし、国民の実感と日本銀行の注視するインフレ率との間には大きな差が存在します。

インフレ率は消費者物価指数(CPI)によって計測されます

日本銀行は金利水準を決定する際に、消費者物価指数(CPI)を参考にしています。これは、家計が消費する重要品目を定め、それらの品目のウエイト(支出する割合)を加重平均して算出します。

消費者物価指数には、全ての品目を含む「総合指数」、生鮮食品を除く「総合指数」、生鮮食品とエネルギーを除く「総合指数」があります。次の表は2023年12月の総務省の報道資料から引用したもので、2023年の物価上昇が明らかになっています。





直近1年間の消費者物価指数(総合指数/前年同期比)では、+4.3%~+2.8%のレンジで推移していますが、この水準は私たちが体感している物価とは明らかに異なっています。その原因は、消費者物価指数で採用されている品目ごとのウエート配分にあります。

現在の消費者物価指数は2020年を基準(100)とし、5年毎に品目数(現在582品目)やウエートを見直しています。

 



国民が実感する物価高と消費者物価指数はちょっと違う。

具体的な内訳は、10大費目指数を通じて確認することができます。2023年11月の総合指数は前年同期比で+2.8%ですが、食料は前年同期比で+7.3%、生鮮食品だけなら前年同期比で+10.4%の上昇となっています。私たちが実感する物価上昇は、食品関連が主要な要因なので、政府が発表する3%前後のインフレ率は低く感じられるのです。



「安定的な2%の物価上昇」は、日本銀行が公言している金利引き上げの基準でもあります。つまり、今年も前年と同様のインフレ率が続けば、日本銀行がマイナス金利を解除し、「金利のある世界」に引き戻す可能性があります。

最後に

金利を予測する際には、金融政策を決定する日銀金融政策決定会合の日程と消費者物価指数の動向を常にチェックしておくことが重要です。

今年の金融政策決定会合の開催日は以下の通りです。1回目は1月22~23日、2回目は3月18~19日、3回目は4月25~26日、4回目は6月13~14日、5回目は7月30~31日、6回目は9月19~20日、7回目は10月30~31日、8回目は12月18~19日です。日銀総裁の植田氏の発言や行動も市場に大きな影響を及ぼすことを忘れないでください。

一方、消費者物価指数は、原則として毎月19日を含む週の金曜日午前8時半に前月分の指数が公表されます。
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